2025/06/12 21:19

何でも値上げの時代。昨日、タミーズのフェルトも値上げをさせていただきました。
クリエーターさんたちの事を思うと辛かったです。

ある方に勧められ苦手なのですがブログを始めることにしました。
新天地鎌倉から自分と応援してくれる誰かのために何かを発信できたらうれしいです。

”定年”の文字がちらつき第二の人生を考えてデザイナーからフェルト作家に軸足を変えはじめた2016年頃の私は、上質で色のきれいな厚手のウールのフェルト探していました。東京のど真ん中に住んでいましたので仕事の合間を縫ってあちらこちら輸入雑貨店を覗いたり、大小生地屋、フェルトメーカー最大手まで訪ねては調査していました。しかし、広い東京、防音など工業用に使うフェルトでウール100%はあるものの、色がアイボリーかグレーで端材が混じったもの以外はどこにも無いのです。ようやく京都で見つけた3㎜厚のウールフェルトはお茶屋さんを連想する”真っ赤な毛氈”でした。
もちろんネット検索もしましたが満足のいくものは国内にはありませんでした。

検索キーワードを英語に変えてみると、”えっ!目の前にずらっと美しいウールフェルトが画面に出てきたではありませんか” ただそれらは小売店がエンドユーザー向けに売っているものですから送料も入れたら当然高くなります。当初から商品の材料として安く仕入れたかったのでフェルトのメーカーを探さなくてはなりません。素人なりに羊毛ってえばニュージーランドとかスコットランドだなと考え、何社もコンタクトしてみましたが、実績のない個人を相手にしてくれるところはありませんでした。そんな中で快く対応してくれたのがHollandfeltでした。チューリップで有名なオランダでいいのかな、と思いましたが苦労続きの中で親切にされると気持ちが”わー“ってそちらに寄っていくのです。"縁”とは
そんなわけで2019年頃から本当に小さな単位で輸入をはじめたわけです。

さて、値上げの話です。
2025年もHollandfeltさんが値上げの通知をしてきました。数年の間価格据え置きでやりくりしてきましたがついに仕入れ価格は1.4倍に上がり航空運賃も値上げの一途。私もこのたび値上げせざる負えない状況になってしまいました。
私自身、ものづくりに携わる身として思うのですが、私達がそれに費やす時間を時給にしたら数百円にもなっていないのではないでしょうか。その上いろいろな材料が上がったらやっていけませんが、材料費は上がり続けると思うのです。
だから、ご自身が作り出すモノの価値と価格も見直してみる機会にもなるのかもしれません。